MEDICAL
消化器外科(緊急疾患)
胃拡張&胃捻転

突然ぐったり…おなかパンパン!

胃拡張&胃捻転の代表的な症状

  • 吐きそうで吐かない
  • よだれを垂らし、苦しそう
  • 落ち着かない
  • おなかが張っている
  • 口の粘膜が白い
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上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬が「消化器系の疾患」にかかっている可能性がございます。

胃拡張・胃捻転の病気について

大型犬のワンちゃんに多い病気として胃拡張・胃捻転があります。

病気の種類と特徴

中高齢の大型犬に多く、はっきりとした原因は不明ですが、食後すぐの運動や早食い、活発で興奮しやすい性格の犬がなりやすいと考えられています。胃に飲み込んだ空気と発酵したガスと液体が溜まって膨れる状態を「胃拡張」と呼びます。胃拡張が悪化し、時計回りに捻じれることを「胃捻転」と呼びます。胃捻転を起こすと、血液循環が悪化しショック状態に陥ります。

放置した場合のリスク

この病気は、短時間で命を落としてしまう病気です。

速やかに治療がされても、不整脈や再灌流障害、感染によるエンドトキシンショック、DICを起こる可能性もあり、死亡率が15~68%あると言われています。

当院の胃拡張・胃捻転治療の特徴

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胃内圧の減圧

皮膚の上から胃に向けて針を刺し、できる限り胃内ガスを抜去します。もしくは、口から胃内へチューブを挿入し、胃内ガスを抜去する方法があります。

全身の安定化

急速点滴をスタートし、ショック状態の患者の循環の改善を行います。また、酸素吸入を行います。不整脈を起こすことが多いので、抗不整脈薬の投与を行います。

手術

捻転した胃の整復を行い、胃が一部壊死しているようであれば、胃の部分切除を行います。

胃を腹壁に固定をして、再発を予防していきます。

詳細は次の項目「当院の手術の流れ」をご覧ください。

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Point

再発率が高い疾患のため、好発犬種は避妊手術時に胃固定術をしておくことで、胃拡張・胃捻転発生リスクを下げる事が可能です。ただ、100%胃捻転を防げるものではないので注意が必要です。

 

1日3回に食事を分けて与えてあげたり、食後2~3時間は運動をさせない事が予防につながります!

当院の手術の流れ

診療の流れ

当院では術前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!

以下から手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。

  • Step
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    捻転した胃の整復

    通常、胃が時計回りに捻転しているため、反時計回りに回すことで捻転を戻してあげます。血液循環が悪化したために壊死した部分がないかを精査します。

  • Step
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    壊死した胃の部分切除&壊死した脾臓摘出

    同時に脾臓捻転が併発している場合があります。

    ※胃の壊死を伴う場合は死亡率が高くなります。

  • Step
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    胃固定

    胃を腹壁に固定します。

    胃固定しない場合の再発率は80%ですが、胃固定した場合の再発率は10%にまで低下します。

  • Step
    OPE後5~7日で、退院です☆

    OPE後24時間は不整脈が起こりやすく、再灌流障害やエンドトキシンショック、DIC等術後合併症も起こりうるので、数日間は集中治療が必要です。

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